物々交換から考えるお金の役割

木の花ファミリーで暮らし始める前、僕は、神奈川県の藤野にあるパーマカルチャーセンタージャパン(PCCJ)に1年間通っていました。

パーマカルチャーとは、1970年代にオーストラリアで生まれた学問で、
パーマネント(permanent 永久の)とアグリカルチャー(agriculture 農業)をつづめたものですが、同時にパーマネントとカルチャー(文化)の縮約形でもあります。

土を大切にした永続可能な農業を基盤として持続可能な文化を生み出すためのデザイン体系です。

当時、PCCJで出会った友人、みっちーとのぞーるは今、
山梨県牧丘市で百姓をしています。(豆の樹の家

彼らは減農薬、無化学肥料でとても美味しいブドウ(巨峰)を育てています。
その巨峰が昨日贈られてきて、今日の夕飯の食卓に並びました。







みずみずしく甘いブドウ。子どもたちも喜んで食べていました。




みっちーとのぞーるは毎年、僕らに巨峰を贈ってくれます。
彼らの巨峰は僕たちの食卓に喜びを与えてくれます。

僕らはそのお礼に毎年、新米を贈っています。

木の花ファミリーと豆の樹の家は、毎年、巨峰とお米の物々交換をしています。
それはモノを贈り合っているだけではなく、心の交流でもあり、お互い暖かい気持ちになります。
こうしてモノと一緒に心が人々の間で循環していきます。

必要なものが循環し、心の交流があるところではお金は必要ありません。

交換の手段、価値の尺度、保存機能。

これらはお金の機能と呼ばれていますが、
それらは本質的な役割ではないと僕は思っています。

循環の補佐。

それこそがお金の大切な役割です。

特定の物質に依存せず、腐ることもないお金は時空を超えて存在し続けることが出来ます。
それは時空を超えて人と人を繋げることが出来るのです。

巨峰とお米の交換を通した心と心の交流。
そのような心と心の交流が世界中の人々と可能となるように。
過去や未来の人々と可能となるように。

お金はそのために存在していると僕は思っています。


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木の花ファミリーの6次産業化の取り組み「恵みいただきます」

木の花ファミリーでは月に一度「恵みいただきます」という食事会を開催しています。


自然の恵みに感謝して、人が自然の一部であることを思い出す。

お客さんと共にそんな心を共有するために、
天然循環農法で育てた食材を使った菜食メニューを提供しています。


下の写真は、先月のメニュー:コクうま!冷やし豆乳担々麺と沖縄料理です。





毎月150名~200名のお客さまを迎えるこの食事会は、
地域の人々が集まり交流する場にもなっています。
そして、木の花ファミリーの安心安全な商品を多くの方に提供する機会にもなっています。




自然の恵みをいただきながら、地域が元気になり、安心安全な商品が世の中に広がっていく。

「恵みいただきます」はそんな食事会です。
是非、一度お越し下さいね。

この食事会も先日このBLOGで書いた6次産業化の取り組みの一つになっています。

次回の「恵みいただきます」は9月27日(土)に開催されます。
詳細は以下の通りです。

【日時】
2014927() 11:3014:30
*受け付けは14:00までとなります。

【会場】
木の花ファミリー おひさまハウスひまわり
静岡県富士宮市猫沢238−1
(旧住所:富士郡芝川町猫沢238−1)

【お食事代金】
1人前 1,000
65歳以上の方、障がいをお持ちの方は1人前500

【ご予約・お問い合わせ】
「恵みいただきます」は完全予約制となっております。
ご来場の際には、必ず事前にご予約をいただけますようお願い致します。
ご予約はこちらからどうぞ

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今、木の花ファミリーのキッチンスタッフは当日の準備を着々と進めています。
以下の写真は上から、10時間程炒めたあめ色玉ねぎ 。真紅の太陽トマトピューレ
これから3時間ゆっくりと煮出す野菜ブイヨン。です。


10時間炒めたあめ色玉葱
真紅の太陽トマトピューレ



野菜ブイヨン

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農事組合法人木の花ファミリーと6次産業化

皆さんは6次産業化という言葉を聞いたことがありますか?

6次産業化とは、農業や水産業など第1次産業が、
食品加工(第2次産業)や流通販売(第3次産業)にも取り組んでいくことを言います。
食品加工や流通販売で得られる付加価値を農業者自身が得ることで、
農業、水産業の活性化を図ります。
1+2+3=6 ということで6次産業と呼ばれています。

木の花ファミリーは、お米や野菜など農産物を生産するだけでなく、
お菓子やお茶など加工品の販売を行い、
農家レストランや農家民宿の経営も行っています。
その意味で、すでに6次産業化を成し遂げているとも言えるのですが、
あらたな加工品の生産販売についても検討しています。

その一つが大豆の加工販売です。

木の花ファミリーでは今、沢山の大豆に恵まれています。
その大豆をより多くの人たちにお分けするために、
醤油や味噌、納豆などに加工して販売することを検討しています。
※これらは現在、自家用に作っています。

これは6次産業化へ向けての新たな取り込みと見なされ、
国から支援を受けられる可能性があるのです。
そこで今日は、静岡県(富士農林事務所)へ相談に行ってきました。

国から支援を受けるからには当然しっかりとした財務状況にあることを示す必要があります。今日は、中小企業診断士の方に過去3期分の決算書を見てもらいアドバイスをいただきました。

木の花ファミリーは農事組合法人であり、
メンバーの多くは組合員として法人に参加し、
法人と組合員の間に雇用契約はありません。
一人一人が独立した経営者として法人に参加し、
従事分量配当金を得て、個人事業主として確定申告を行っています。

※従事分量配当金とは、組合員が農業に従事した時間と内容に応じて支給される配当金です。

その経営のあり方は独特で、決算書についても従事分量配当など独特な言葉が出てくるため説明に多くの時間が必要になりました。ですが、きちんと説明をすると理解をしてもらうことが出来ました。大変でしたが、自分たちの経済、経営について確認するとても良い機会となりました。

農事組合法人は木の花ファミリーのように確定給与を支払わない形で経営することが出来ます。
給与の代わりに決算で確定した余剰金の範囲内で配当金を支給するのです。
この形のメリットは赤字になりにくいことが挙げられます。
なぜなら人件費(=配当金)が利益の範囲内だからです。
そして、法人税でも特例を受けられます。


農事組合法人は農協法に基づく法人であり、利益を追及する組織ではありません。
共同で経営することでお互い助け合う、共助の精神から生まれた法人です。これは木の花ファミリーの生活と共通する精神で、こんな精神で僕たちは事業を営んでいます。

ちなみに白大豆ですが、2kg、5kg、10kgなど大口の販売も開始しました。もし良かったらご購入下さい。 






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木の花ファミリーで金庫番になって・・・・

2009年5月20日。

僕はそれまで6年間勤めていた公立中学校事務職員の仕事を辞めて、
木の花ファミリーへ移住しました。

ファミリーに移住したばかりの僕。
その僕に言い渡された役割は、なんと!金庫番でした。
その理由は、「顔が四角いから」

来たばかりの自分に経理を任せる木の花ファミリーの懐の広さを感じました。

あれから5年以上の歳月がたっています。
その間、様々な経験をしました。
いつもいつも木の花ファミリーのお金の動きは肌で感じてきました。
そしてそれはもう身体に染みついています。

心臓、肺、脳、目、口、鼻、喉、背骨、右手、左足、踵、髪の毛、爪・・・・
様々な機能を持った個性豊かな器官が集まり人間の身体は出来ています。
それらはお互いの機能を存分に発揮し、一つ一つの動きを生み出しています。

木の花ファミリーも同じように個性豊かな人々が集まり、一つの世界を生み出しています。
一人一人がその個性を存分に発揮し、一つの動き、流れを生み出します。

お金は木の花ファミリーの中を循環し、すべての人の必要を満たします。
血液が身体を流れ、すべての器官に栄養を与えるように。
そしてその流れは外の世界へと広がっていきます。
以下の図はその流れを示したものです。







このBLOGでは木の花ファミリーの経済を紹介すると共に、
今まで積み上げてきた実践から感じること書いていこうと思っています。

どうぞよろしくお願いします。


木の花ファミリーホームページにも経済の説明は書かれています。
是非お読みください。



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