世界のお金がみんなのお金になるように。

木の花ファミリーで金庫番になって・・・」でも紹介していますが、木の花ファミリーの経済は以下のようになっています。

みんなのお金をみんなで集めてみんなで使います。

みんなのお金は個性豊かな一人一人のメンバー、そして農事組合法人やNPOのお金でもあります。

今日、木の花ファミリーメンバー40名分の確定申告書類を税務署に提出して来ました。木の花ファミリーメンバーの多くは農事組合法人の組合員ですが、法人と組合員との間に雇用契約は結んでいません。一人一人が独立した経営者として法人の運営に関わり、従事した分量に応じた配当金を受け取ります。組合員は、その配当金に基づいて確定申告をするのです(農業所得)。加えて、私たちは、本の出版やCDの製作販売、施設や田畑の見学への対応、不動産賃貸など農業以外の収入も得ています。それらについても毎年申告しています。

一般用、農業所得用、不動産所得用の3種類の青色申告決算書を作成し、それぞれ必要なメンバーに振り分けていきます。その他、年金収入や外勤メンバーの給与などを確認し、一人一人の年間の所得を割り出していきます。この作業はとても面白いです。木の花ファミリーのお金はみんなのお金です。でも、そのお金は均質ではなく、一人一人の個性に彩られているのです。数字からそれを感じてちょっと感動します。自分が作成した決算書を見て、「これも芸術だよな~」なんて思ったりもしました。(※お金とは何か?~「自分のお金」と「みんなのお金」もお読みください。)

誰か他のメンバーが持っているお金も、農事組合法人やNPO法人が持っているお金も、すべて「世の為、人の為」に使われ、世の中に循環していきます。だから、みんなどこにお金があっても気にしません。この安心感と信頼はこの暮らしの魅力でしょう。この温かい暮らしの中で、僕は能力以上の力を発揮して暮らしています。2月締め切りの農事組合法人の決算並びに法人税の申告を通してそのことを感じました。

農事組合法人木の花ファミリーは、お米や野菜、小麦や雑穀、豆類など多種多様な商品を販売し、農家民宿や農家レストランを展開しています。それだけでも経理は細かくなりますが、さらに静岡県と長野県と2つの県に事務所を構え、そして先にも触れた通り、組合員に給与を支給しない従事分量配当性を採用しています。そのため税の申告には特別な事務処理や書類が必要となるのです。(申告書の提出先も、国、静岡県、長野県、富士宮市、大町市と5つになります。)

加えて、農事組合法人木の花ファミリーは、上記の図にあるように、NPO法人ぐりーんぐらすや個々の組合員と連携して様々な事業を行っています。なので、NPO法人の経理や個々の組合員の経理にも目を配っておく必要があります。※それらも僕が経理を担当しています。

毎年2月は上記のような作業をするのですが、これは自分の能力の限界に対する挑戦となります。そして、エネルギーも身体の芯から絞りに絞り出すことになります。

そのプレッシャーはとても大きく、今年、僕はプレッシャーに押しつぶされそうになりました。この時は、決算に集中しなければ・・・とオフィスに籠り、みんなとの交流をなくすことで逆に自分の中からエネルギーを枯渇させてしまっていたのです。そんな状態の僕をファミリーのみんなは温かくほぐしてくれました。
(※この時のことは1ヶ月の真学校ブログ「ケア卒業生の学び」でよしてるくんが少しだけ書いてくれています。是非、こちらもお読み下さい。)

そんなみんなの温かさに支えられて、僕は忙しい時期を乗り切ることが出来ました。この場の持つエネルギーを改めて感じました。農事組合法人の決算は、ここで暮らしこの場のエネルギーを貰っているからこそ出来る仕事で、それがなかったらこんな「すごいこと」は出来ないだろうなと思います。(自分で「すごい」というのもなんなのですが・・・)

さて、能力以上の力を発揮する。それも素晴らしいことかもしれませんが、毎年2月が大変な状況にあることも事実です。当然、改善をしていく必要がありますが、そもそもこの状況を生み出したのは自分自身なのです。

2011年1月。当時、個人事業主の集まりとして経営をしていた木の花ファミリーに法人設立の話が浮上しました。この時期、僕はみんなの確定申告の計算をしていたのですが、まだまだ余力が残っていました。そしてより創造的な仕事をすることを望んでいました。僕はすごい人になりたかったのです。そこで、農事組合法人の設立事務を「やりたい」と言ってやらせて貰いました。そして、2011年3月。無事に法人を設立。これにより僕は、農事組合法人の行政対応から登記事務、そして経理に及びまですべてを引き受けるようになりました。そして、それはNPO法人ぐりーんぐらすも同じ状況にありました。

2012年2月。農事組合法人の初めての決算&税の申告。初めてのことで分からないことだらけの中、税務署に質問したり、自分で調べたりしながら仕事を進めていきました。そしてなんとかやり遂げた時、自分の能力のすべてを使い切ったことを感じ、達成感を味わいました。

その後、農事組合法人は2013年3月長野県に事務所を構え、NPO法人は便利屋など収益事業を開始し、事業が拡大し、税の申告も必要になっていきます。そんなふうにより多くのスキルが求められるようになっていきます。能力の限界に挑戦し続ける日々となり、余裕は少しずつなくなっていきます。

自分の納得がいく仕事が出来るようになった僕は、望んでいた「すごい人」になりました。ですが今、ひとりで極めた仕事を抱えて余裕を失っているのです。余裕がないと心の成長を求める気持ちが弱まります。一番大切なことがおろそかになってしまうのです。

望みは叶った。でも余裕を失う。

自分自身の理不尽さを感じるところです。

自分のやっている仕事を出来るだけ多くの人と共有することで楽になっていく必要があるのでしょう。それは、組織全体の成長にも繋がることです。

ちょっと前に、NPO法人フローレンスの駒崎代表とサイボウズ株式会社の青野社長の対談「残業はエクスタシー!? イクメン経営者に学ぶ働き方革命」を読みました。今は定時に帰り、子育ても楽しんでいるお二人ですが、昔は遅くまで仕事をしていたそうです。その頃のことについて、青野さんは「残業に自分のエクスタシーを求めていただけで、本当の意味で生産性を追求していなかった」と振り返りをしています。そして駒崎さんは「ベンチャー経営者は忙しくなけらばならない」という思い込みのヘットギアをしていたと述べています。

自分の満足を求めること、そして思い込み。

それらを超えた時、まったく新しい世界が開けるのだと思います。

3月7日、僕は40歳の誕生日を迎えました。そして、「不惑」を書きました。
そこでも書いた通り、今当たり前に思っていることもどんなふうに変化するか分かりません。
世界に心を開いて、変化に身を委ねていこうと思います。

最後に、前述した木の花ファミリーで実現している安心な社会。それは日本全体でも世界全体でも実現可能だと思うのです。例えば、日本の場合以下のような感じです。


みんなが日本のため、世界のためにお金を使い、みんなで豊かな世界を実現していく。そんな信頼感があったら、誰がお金を持っていても、どこにお金があっても気にする必要はありません。そして、有効に循環するならば、この世界は充分に豊かなのだと思います。
(※例えば、こんなページを見つけました。→ 「軍事費で出来ること」)

日本や世界は広すぎる。そんなの実現できっこない。

こんなふうに思う人もいるかもしれません。ですが、これも思い込みです。
思い込みを外して、ただただ世界に身も心も委ねたら、きっと奇跡が起きるはず。

そんな未来を共に築いていきましょう!



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